こんにちは。
アフリカ南部のザンビア共和国で青年海外協力隊として、国際協力の最前線を経験し、現在は日本社会に再順応している「学ぶ猿」です。
途上国で2年間のボランティア活動を行う青年海外協力隊(現、JICA海外協力隊)ですが、一般的な日本社会のキャリアとは全く違うものと考えられがちですよね。
青年海外協力隊の参加にあたって、「帰国後、日本社会でのキャリアが不安」という声はよく聞こえます。実際、同制度に対する各企業の評価は、非常に差がありますね。
※青年海外協力隊に参加するメリット・デメリットについて、それぞれ別の記事で紹介してます。
他方、青年海外協力隊への参加は、国連関係機関も含めたグローバルキャリアに繋がるという側面もあります。
報道によれば、「最難関」とも言われる宇宙飛行士候補の試験に合格された諏訪さんは、アフリカのルワンダで青年海外協力隊(理数科教師)として活動されたご経験があり、現在は「世界銀行」でご勤務されていますね。
まさに、「宇宙兄弟」のような話!
「青年海外協力隊を経験すれば、宇宙飛行士になれる」というのは流石に暴論です(笑)
しかし、同制度に参加することは、途上国を資金面で支える「世界銀行」のような国際機関でキャリアを形成するスタート地点にもなり得ます。
ただの国際的なボランティア制度でしょ?
と思いたくなるのはわかります。しかし、青年海外協力隊に参加することで「途上国での職業経験あり」とみなされます!
基本的に、国際協力の分野でキャリア形成をするには、3つの条件が必要と言われています。
青年海外協力隊に参加することで、その条件のうち1つ(途上国等での2年間の職業経験)をクリアできるのです。
今回、青年海外協力隊に参加した後、国連関係機関を含めた国際協力に関わるキャリア形成について解説します。
- 青年海外協力隊をスタート地点にして、今後も国際協力の仕事がしたい。
- 国連関係機関含めて、国際協力のキャリアを形成する3つの条件を知りたい。
- 国際協力の仕事を続けるために、情報を整理したい。
等のニーズを満たす内容となっています。
また、「国際協力のキャリア」について、漠然と興味を持っている方にとっても、学ぶのある内容ですよ!
早い段階でキャリアの情報を整理し、帰国後のビジョンを想定することは非常に重要です。
今回の記事を読んで、国際協力のキャリアを形成するために一緒にキャリアの方向性を整理しましょう!
結論
途上国を資金面で支援する世界銀行等の国際機関、日本の政府系ODA実施機関であるJICA、その他関連するNGOやNPO等で国際協力の仕事に就きたいと考えるならば、以下3つが必要です。
①途上国での勤務経験(基本的に2年ほどの期間を求められる)
②語学力(英語+国連公用語もあると尚可)
③専門性(修士号以上)
国際機関が若手人材を受け入れるJPO制度も正にこの3点が求められます。
JPO派遣制度
1961年の国連経済社会理事会決議により設けられ、各国政府の費用負担を条件に国際機関が若手人材を受け入れる制度です。日本も外務省を含む複数の省庁が、国連をはじめとする国際機関に派遣を実施しています。
外務省国際機関人事センターより
アフリカでJICAボランティアを経験し、米国の大学で博士課程(気候科学)を終了している諏訪さんは正にこの条件を全て備えていたわけです。
以下、国際機関における「若手の登竜門」と言われるJPO制度を基に、詳細に解説いたします。
日本の政府系機関であるJICAや他のNGO/NPO職員で求められるレベルはここまで高くない場合もあります。
他方、途上国経験、語学力、専門性はどこでも求められる能力です。
JPOを目指していなくても、この3つを備えることが皆さんの「国際協力」に関するキャリアに繋がります!
青年海外協力隊の帰国後、国際協力のキャリアに関わるには?3つの条件を解説
条件①途上国での勤務経験
JPO試験では「2年以上の職歴」とありますが、基本的には途上国での勤務経験(或いは、途上国関連の経歴)が問われています。
まずは、現場を見ないと始まらないということですね!
その通りです!例えば、「世界銀行」は融資等を通して資金面から途上国を支えます。支援を実施するには、「現場」の実情やニーズを知ることが非常に重要ということです。
この点、青年海外協力隊は、2年間、途上国の現場でボランティア活動に従事します。
このボランティア経験はJPO含めて多くの国際協力に関する機関において、「職務経験」とみなされます。
よって、青年海外協力隊の経験者は皆、この条件①をクリアすることになるわけです。
諏訪さんの場合、「アフリカ(ルワンダ)での現場経験が、世界銀行の選考の際にも活きていた」と言えるでしょう!
猿や周りの友人が行っている仕事を例に出すと、
国際協力に携わる方の国際機関や政府系機関はデスクワークが多いです。
勿論、出張して現場を確認する場合もありますが、基本はデスクワークや議論をすることが中心です。
知人の国際機関の職員さんやJICAの職員さんは、
「だからこそ、途上国でのボランティア活動等で、現場の事情をしっかりと理解することが大事」
だと話されます。
理想と現実は全く違いますからね。
「華々しい」、あるいは「人の助けになる」等と良いイメージの持たれる国際協力業界ですが、実際は非常に地道で政治色の強い仕事です。
また、そもそも途上国に訪問する必要性のある仕事です。
ストレス耐性や途上国独特の病気やケガの対処等基礎的な部分の知識も必要になります。
更に、途上国の方と話すには実はコツがいります!
皆が皆、教育を受けた方ではなく、中には思い込みで話していることも多いです。
「質問の仕方」等非常に工夫しなければなりません。
このような理由で、何かしらの経験で約2年間は途上国で勤務することは非常に理にかなっていますね。
※途上国へボランティアやリサーチ等へ行く前に是非この名著はおススメします!
条件②語学力
これは「英語で業務ができること」を指します。
JPO試験の場合、必要点数や足切りはないみたい。めっちゃ曖昧。。。
参考まで、
2017年度のJPO試験の最終合格者のTOEFL平均スコアは104.6点
(最低点90点、最高点119点)、IELTSの平均スコアは7.2点(最低点6.0点、
最高点8.5点)でした。
2019年度は、 TOEFLスコアは平均105.4点、 IELTSスコアは平均7.4点です。
JPO派遣制度で国際機関職員になる!より
因みに、猿はIELTS6.0(2020年)を取得しているので、ギリギリですね(笑)
米国等の英語ネイティブ圏で大学院を修了されている方なら、IELTS7.0前後を取得されている方々がほとんどではないかと想像します。
また、各組織の活動場所によっては、国連公用語(フランス語、アラビア語等)を取得していると更に幅が広がります!
西アフリカであれば、フランス語が公用語の国々が多いですし、中東であれば当然アラビア語が公用語になります。
当たり前のように、バイリンガルやトリリンガルのいる世界。。。
若いうちから少しずつ、語学力を上げる努力が必要ですね。
猿は、高校時代英語が大の苦手で、25歳まで全く勉強してきませんでした。それでも、26歳から、まずは文法から、そして会話練習も含めて勉強したらJPO試験合格ラインには達することが出来ましたよ!諦める必要はありません!
※書きながら簡単に文法を理解できるという意味でおすすめです。
※今は無料体験もあるオンライン英会話なども豊富ですね。
条件③専門性
これは、シンプルに「修士号」以上という理解で良いと思います。
日本では、4年制の大学卒業(学士号)で、十分とされている風潮が強いと思います。
しかし、アメリカ等では「修士号」がないと、就活のスタートラインにも立てないという話をよく聞きます(勿論、職種によりますが)。
アジアやアフリカの国家公務員の上級職員でも基本的に「修士号」以上が求められるようです。
(その中には、先進国で「博士号」まで取ったという方々も多いですよ)
確かに、諏訪さんは米国の名門大学で博士課程まで終了していますね。
一部報道では、「大学の学士取得がコスパに合わない、学歴を重視しない傾向にある」等とされます。しかし、国際協力の業界では、まだまだ専門性といえば、修士以上の学歴と経験が重視されます。
なぜか?
私の理解では、大量の資料を読み込む能力、資料を基にレポートを書く能力、そもそも資料を理解できるだけの深い知識等がこの業界に必要だからです。
英語(或いは国連公用語も)を用いて、非常に高度なインプットとアウトプットを求められる世界です。
よって、奨学金等で資金面をクリアできるならば、「英語圏での修士号取得」を可能な限りお勧めしますよ。
まとめ
以上、主に青年海外協力隊の経験者向けに、国際協力の分野でキャリアを形成するにあたり、3つの条件をご紹介しました。
勿論、これらは生年に未経験の方々でもこの業界へ進むのであれば参考になるかと思います。
「ハードル高いな。能力高い人たちの集まりだ。。。」
と思った方々も多いと思います。
猿もそう思っていましたが、アフリカで青年海外協力隊に参加し、国際機関で働いている方の話を聞くと案外皆、「普通の人」でしたよ!
皆さん「途上国や世界のために多少なりとも役に立ちたい」と思っている。
ただそれだけです。
情熱があれば、誰でもこの3つをクリアできると思います。
特に、スピーキング能力含めて英語は必須です!
是非今からコツコツ勉強していってください!
因みに、猿のような平凡な人間でも、既に3つのうち、2つ(語学と途上国経験)は取得できています。
残りの、専門性(修士)も早いうちに身に着けたいと思っています。
一緒に頑張っていきましょう!
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